無額面切手とは、郵便料金として使える金額すなわち額面が記載されていない切手のことを言います。
発行された最初は、郵便料金改定の決定が間に合わないことを予想して印刷されたために発行されていましたが、現在では基本料金などの郵便料金に使用できることを永久保証して発行されることが多くなってきています。
そのことから別名永久保証切手とも呼ばれています。
また、インフレーションの激しい国においては、郵便料金の改訂が多いことからして料金が変わっても普通切手を新規に発行すると経費がかかり、また在庫の切手が売りさばけなくなっり切手が無駄になるなどの欠点をなくすなどのコスト削減のために発行されています。
日本では現在まで一切発行されていません。
イギリスは国内の葉書と手紙の郵便料金が同一で、配達の速さのランクにより2段階の料金設定になっています。
普通がファースト・クラス郵便で、少し遅いが料金が安価なセカンド・クラス郵便なっています。
そのためにイギリスの無額面切手には1989年以降郵便料金の額面を、1st(ファースト)と2nd(セカンド)と表示した切手が販売されています。
この無額面切手は、切手に印刷されたランクの郵便に永久的に使用することができ、郵便料金が値上りしてもそのランクの郵便に永久的に使用できます。
イギリスでは2022年現在でも記念切手や通常切手に、数多くの無額面切手を発行しています。
切手は1989年イギリス発行の「ファースト・クラス郵便用無額面切手」で、クイーンエリザベスⅡ世の横顔とともに、1STと印刷されています。
切手は1989年イギリス発行の「セカンド・クラス郵便用無額面切手」で、クイーンエリザベスⅡ世の横顔とともに、2NDと印刷されています。
切手は2022年イギリス発行の「ザ・ローリング・ストーン切手」の中の一枚で、ローリング・ストーンのメンバーが描かれ、切手右上にはクイーンエリザベスⅡ世の横顔とともに、1STと印刷されています。
切手は2017年台湾発行の「無額面切手」で、明るい青空の背景に手紙をくわえた白い鳩が描かれていますが額面が印刷されていません。
切手は1978年米国発行の「無額面切手」で、米国郵政公社のエンブレムのイーグルとアルファベットのAが描かれていますが、額面は印刷されていません。
※1978年米国郵政公社は、無額面切手額面をアルファベットの「A」で表示した切手を製造し 値上げになった郵便料金に対応さ、「A」=値上げになった郵便料金の「額面」ということとし、この形式は、現在、「H」まで存在しています。
切手は1993年ユーゴスラビア発行の「無額面切手」で、手渡される手紙とRの文字が描かれていますが、額面は記載されていません。