voxsangman’s blog

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世界史ミステリー3.ネアンデルタール人はなぜ絶滅した-

ネアンデルタール(Homo neanderthalensis)は、1856年に現在のドイツのネアンデル谷で発見された。

ネアンデルタール人は、系統樹的には60~40万年前に現生人類から分岐した別種の人類で、ヨーロッパで約3万年前まで生存し、現ヨーロッパ人の祖先に当たる、クロマニオン人と同地域で共存した時代があると言われています。

一昔前まではネアンデルタール人を現生人類(英: Modern Humans)の祖先とする説がありましたが、遺骨から得られたミトコンドリアDNAの解析結果に基づき、現在ではネアンデルタール人は我々の直系先祖ではなく別系統の人類であるとする見方が有力となっています。

ネアンデルタール人が絶滅の原因は多くの仮説が存在しますが、多くの仮説は現生人類とネアンデルタール人の間で起きた衝突により、ネアンデルタール人が絶滅に追いやられたと推測しています。

ネアンデルタール人が絶滅した原因に関しては、十分に証拠がなくいずれの説も仮説の域を出ていません※

ネアンデルタール人の絶滅の仮説を一つ上げてみますと、

当時のネアンデルタール人は、せいぜい十数人の家族単位で生活していたのに対し、ホモ・サピエンスは数十人、数百人で集団生活をしていたと言われています。

これだけの人数が集団生活を送るとなると、コミュニケーションをとるために言語の発達する、何か新しい発見や改良があるたびに、その情報は言語化され、集団のなかで共有化され進化し続けていきます。

石器に関してもネアンデルタール人のものが、30数万年に渡りほとんど進化しなかったのに対し、ホモ・サピエンスの使用する石器は幾度も改良が加えられ、より精度が高く使いやすいものに変化ししていきます。

言語も発達し集団で共有されることで、やがて文化が芽生えることになります。

この文化は発展続けて世代を超えて受け継がれ、集団としての強さとなるわけです。

この文化の大きな異なりがホモ・サピエンスネアンデルタール人の運命を分けることになります。

環境の変化に対して、個人もしくは家族で対応するしかなかったネアンデルタール人に対し、文化(先人や集団の経験・知恵の集積)によって対処したホモ・サピエンスが生き残りネアンデルタール人は絶滅の憂き目を見ることになったのです。

いみじくもチャールズ・ダーウィンの言葉に、"強いもの・賢いものが生き残るのではない。変化できるものだけが生き残る"が胸に突き刺さります。

切手は1967年キューバ発行の「人類学切手」の中の一枚で復元されたネアンデルタール人と頭蓋骨が描かれています。

 

1967年キューバ発行人類学切手

切手は1997年キューバ発行の「類人猿切手」で、ネアンデルタール人の頭蓋骨とともに復元されたネアンデルタール人が描かれています。

 

1997年キューバ発行類人猿切手



切手は2006年ドイツ発行の「ネアンデルタール人発見150年記念切手」で、ネアンデルタール人の頭蓋骨とネアンデルタール人の名前の由来となったネアンデルタールネアンデル谷)が描かれています。

 

2006年ドイツ発行ネアンデルタール人発見150年記念切手

 

切手は2012年クロアチア発行の「クラピナ ネアンデルタール人博物館切手」の中の一枚で、ネアンデルタール人の生活の様子を復元シたものが描かれています。

 

2012年クロアチア発行クラピナ ネアンデルタール人博物館切手

切手は2016年ジブラルタル発行の「ゴーハムの洞窟複合施設切手」の中の一枚で、ネアンデルタール人の親子が描かれています。

 

2016年ジブラルタル発行ゴーハムの洞窟複合施設切手

※ゴーハム洞窟群は、イベリア半島のイギリス領であるジブラルタルで発見さ、ロック・オブ・ジブラルタルの東側に、200余りの洞窟があり中でもゴーハム、ヴァンカード、ハイエナ、ベネットと呼ばれる4つの洞窟からは、125,000年以上前のものと見られるネアンデルタール人の生活跡が発見されています※