コロンブスの交換」とは、1492年にクリストファー・コロンブス(1451~1506)が新大陸を発見したことで、新旧世界間で広がった文化・生物・疾患・人種などの交換を指します。
この交換によって、新大陸にはヨーロッパからの動植物や疾患がもたらされ、同時にヨーロッパには新大陸からのトウモロコシ、トマト、ジャガイモ、タバコなどが伝わったとされています。
また、この交換によって、新大陸原住民はヨーロッパから持ち込まれた疫病によって大きな被害を受けました。
当時のヨーロッパでは天然痘やインフルエンザ、麻疹などの疾患が蔓延しており、これらの病原菌が新大陸にもたらされたことで、原住民は免疫力を持たない状態でこれらの疾患に感染し、大きな被害を受けました。
たとえば、16世紀にスペイン人がメキシコを征服したとき、アステカ帝国の人口はおよそ200万人だったとされていますが、征服後には100年ほどで人口が90%以上も減少し、わずか20万人程度にまで減少してしまいまい、またインカ帝国でもスペイン人による征服後、人口が激減したとされています。
このように、新大陸原住民は免疫力を持たない状態でヨーロッパから持ち込まれた病原菌によって多大な被害を受け、人口が激減したとされています。
このことは、新大陸における文化や社会的な変化にも大きな影響を与えたと考えられています。
また逆にクリストファー・コロンブスの交換によって、スペインから新大陸に持ち込まれた病気の中には、梅毒(Syphilis)が含まれているという説があります。
梅毒は、性的接触によって感染する性感染症であり、初期症状としては皮膚に発疹が現れます。
当時のヨーロッパの人々は、この新しい感染症の梅毒に対する免疫がなかったことから瞬く間に全ヨーロッパに広がり、重い症状に苦しめられることになります。
この病気が新大陸に持ち込まれた時期ははっきりとしていませんが、15世紀後半から16世紀初頭にかけて、スペイン人が新大陸との交流を深める中で、この病気が新大陸にもたらされたと考えられています。
一方で、梅毒が実際に新大陸に持ち込まれたかどうかについては議論があることも事実ですが、梅毒は古代から世界中に広がっていた病気であり、新大陸にも独自の性感染症が存在していた可能性があるため、新大陸原住民が梅毒に感染したのは、スペイン人による侵略以前からであるとする説もあります。
しかしながら、梅毒が新大陸に持ち込まれたかどうかは、明確には解明されていません。
ただし、コロンブスの交換によって新大陸とヨーロッパの文化・生物・疾患・人種が交わったことは、両地域の歴史的な変化に大きな影響を与えたことはには代わりありません。
一方で、ヨーロッパ人は新大陸からの疾患にも苦しめられましたが、新大陸から持ち帰ったトウモロコシやジャガイモなどの食物がヨーロッパ人の食生活を改善することになりました。
このように、コロンブスの交換は、新旧世界間で様々な文化・生物・疾患・人種が交わることで、両地域の歴史的な変化をもたらした出来事の一つです。
切手は1992年ドミニカ発行の「アメリカ到達500周年記念切手」の中の一枚で、コロンブスの前で、先住民がたばこを喫煙している様子が描かれています。
切手は1992年ドミニカ発行の「アメリカ到達500周年記念切手」の中の一枚で、コロンブスと先住民の出会いが描かれています。
切手は1992年モントセトラ発行の「アメリカ到達500周年記念切手」の中の一枚で、コロンブスが新大陸から持ち帰ったパイナップル・トウモロコシ・トマトが描かれています。