voxsangman’s blog

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日本史アラカルト-2.金印-

金印は、江戸時代の中頃、現在の福岡市の志賀島で水田の溝を修理していた農民が土の中から見つけたとされています。

材質は金95.1%、銀4.5%、銅0.5%の22K製で、一辺の平均2.347cm、重さ108.729gです。
とぐろをまいたような蛇の形をした「つまみ」があり印面には『漢委奴国王印』と5文字が3行にわたって彫られてています。1931年に国宝に指定されています。

読み方は諸説ありますが、『漢の委の奴の国王(かんの・わの・なのこくおう)』という意味が通説となっています。

中国の歴史書後漢書』には、西暦57年に「後漢に貢ぎ物を持ってあいさつに来た倭の奴国に対して皇帝が印を与えた」という記述があることから、これがこの金印とする根拠とも言われています。

後漢書とは中国後漢朝について書かれた歴史書

しかしこの金印は発見以来後世に作られた偽物といわれています。

偽物説を支持する専門家は、

1.発見されたとされる場所は不明確でそれらしい遺構もなく、出土品もほかにはなく、金印を発見した農民「甚兵衛」が実在ししたか怪しい。

2.金印に残る彫り痕の特徴が古代中国で作られたとされる印と大きく異なっている。

3.江戸時代の印によく見られることからさらい彫りで彫られていることから、江戸時代に作られた偽物の可能性が非常に高い。

本物説を支持する専門家は、

1.金印は、「漢」の字の「偏」の上半分が僅かに曲がっていることや、「王」の真ん中の横線がやや上に寄っていることが、中国の後漢初期の文字の特徴をよく表している。

2.蛇の形をした「つまみ」について、中国や周辺の各地で発見された同じような形の印と比較すると後漢はじめごろに製作されたものが最も特徴が近い。

3.金印に含まれる金の純度は90%以上と古代中国の印とほぼ同じで、江戸時代に金の純度をまねてまで作ることはできず、後漢のものだとして何ら問題がない。

偽物説・本物説どちらも説得力があり、未だ真偽は明らかにはされていません。


切手は1989年日本発行の「第3次国宝シリーズ第8集 金印」で、彫られた文字と金印描かれています。

 

1989年日本発行第3次国宝シリーズ第8集 金印

私が所有している金印のレプリカを紹介します。

 

金印レプリカ

金印レプリカの印面