voxsangman’s blog

世界の切手を使って医学・世界の出来事・神話・法則などをわかりやすく解説していきます。

世界史ミステリー9.中世の黒死病の謎-

地中海の港に停泊した大型帆船から、積荷や乗客に紛れて上陸したネズミたちには、病原菌をもつノミが寄生していました。

同じことがヨーロッパじゅうの港で繰り返された結果、1347年から1351年にかけてヨーロッパを襲った黒死病パンデミックは史上最悪の規模となり、ヨーロッパの人口の3分の1が命を落としたと記録されています。

黒死病の正体がアジアとヨーロッパで周期的に流行する腺ペストだったことに、ほとんどの歴史学者が同意しています。

皮膚が黒くなる特徴的な症状から「黒死病(Black Death)」と呼ばれ恐れられました。

腺ペストはペスト菌が引き起こす疾患で、6世紀にビザンチン帝国(東ローマ帝国)で大流行して2500万人の命を奪った「ユスティニアヌスの疫病」も同じものでした。

14世紀の黒死病の流行の後も大勢のヨーロッパ人がペストによって命を落とし、1665年の英国ロンドンでの流行は特に規模が大きく悲惨でした。

最後となる三度目のパンデミックは19世紀半ばに始まり、20世紀まで続くことになります。

黒死病は、中世イタリア、フィレンツェの詩人ジョヴァンニ・ボッカッチョ(1313~1375)の『デカメロン(十日物語)』、『ロビンソン・クルーソー』で有名なイギリスの作家ダニエル・デフォー(1660~1731)の『ペスト』、フランスの小説家、劇作家、哲学者アルベール・カミュ(1913~1960)の『ペスト』をはじめとして、多く語りつがれています。


切手は2020年シエラレオネ発行の「パンデミックの歴史小型シート」の中の一枚で、中世の黒死病(1347~1351)が描かれています。

 

2020年シエラレオネ発行の「パンデミックの歴史小型シート

切手には原因菌の拡大図とともに当時の様子、タブには感染症の説明・原因・死亡者数・発生起源を示す地図が描かれています。


切手は2009年モナコ発行の「モニコダンテアリギエーリ協会30年記念切手」の中の一枚で、ボッカッチョの肖像が描かれています。

 

2009年モナコ発行モニコダンテアリギエーリ協会30年記念切手

 

切手は1960年ルーマニア発行の「1960年文化の日記念切手」の中の一枚で、デフォーの肖像が描かれています。

 

1960年ルーマニア発行1960年文化の日記念切手

 

切手は1977年ニジェール発行の「ノーベル賞受賞切手」の中の一枚で、羽ペンと彼の原稿とともにカミュの肖像が描かれています。

 

1977年ニジェール発行ノーベル賞受賞切手